五苓散の使い方

こんにちは

今回は五苓散についてです。

漢方薬は、大学で授業として習っていますが、あまり理解していない薬剤師も多いようです。

私もその1人。漢方は嫌いではないのですが、私が不勉強のため全く理解できていません(笑)ただいま勉強中です。さて、五苓散はどのような作用があるのでしょうか。

ズバリ、利水作用!

漢方の世界では「水滞」と言われる状態があります。これは、体内に不要な水分が滞っているため、痰がネバネバしたり軟便などが生じる状態のことを言います。

五苓散には、体内の水分を排出させる効果があると言われています。利尿作用ですね。そのため、むくみ、頭痛、軟便などを改善する作用が期待されます。

しかし五苓散の凄いところは、脱水状態の方が五苓散を服用すると尿量が減る効果が見られるのです。体内の水分量を調節している、ということですね。

また、私の病院では、脳血管疾患を患った方が五苓散を持ってくることがあります。このときの目的はなんでしょうか。

脳浮腫予防、脳内の血腫にも!

近年、脳神経外科の領域で五苓散の処方が多くなっています。これは、脳血管疾患術後の脳浮腫予防としての効果が証明されています。また、慢性硬膜下血腫の方に服用してもらうと、血腫が消失、縮小した事例もあったそうです。

手足のむくみだけではなく、脳内の浮腫にまで効果が見られるようですね。この場合は継続した服用が重要だと思われますので、内服中の患者さんを見かけたら既往暦を聞いてみると良いかもしれません。漢方薬の場合は、薬情に詳しく効果が記載されていないこともありますので(うちの病院だけでしょうか笑)、患者さんが「なんで飲んでるのかわからない」とおっしゃることもあります。飲み続けてもらえるような説明が必要ですね。

文献

土屋寿司郎, 他:漢方医. 2016;40(4):248-50.

 宮上光祐,他:Neurol Surg. 2009;37(8):765-70.

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