こんにちは。前回書いたオルメサルタン錠の話と同じARBのテルミサルタン錠(先発品;ミカルディス(R)錠)について、オルメサルタンと少し比較しながら添付文書を読んでいこうと思います。
今回改めて添付文書を読んだら、恥ずかしながら知らなかったことも書いてあったので、その辺も踏まえて読みます(笑)
効果
前回オルメサルタン錠の記事でARBの機序について軽く説明してあるので今回は省きます。どちらも1日1回の内服で1日効果が続くのは同じです。
ちなみに、妊婦に禁忌であること、高K血症が副作用としてあるところも同じになります。
では違いについてです。オルメサルタン錠は内服後約2時間ほどで最高血中濃度に達し、半減期は約10時間です。しかしテルミサルタン錠は、内服後薬4〜6時間ほどかけて最高血中濃度に達し、半減期まで24時間前後かかります。(単回投与時)
このことから、テルミサルタン錠の方が、オルメサルタン錠よりもゆっくり血中濃度が上がっていき、排泄にも時間がかかることがわかります。
この効果の差を理解すれば、いつ血圧を下げたいのか、考えるときに利用できると思います。朝血圧高めの方なら、夜のうちにテルミサルタン錠を内服すると良いと思います。また、朝内服して日中の血圧を下げたい方はオルメサルタンの方が良いかもしれません。(ただし、継続して内服することが多いと思います。反復投与になれば半減期も少し短くなったりすることもあるので、一概には言えません)
食事の影響
オルメサルタン錠と違い、テルミサルタン錠は食事の影響があります。空腹時に内服すると血中濃度が上がりやすく、それに伴って副作用が発生しやすくなるため、食後の投与を推奨しています。
性別
なんと男女で効果に差があるのです!恥ずかしながら初めて知りましたすみません。。。
男性の方が約40%もクリアランスされやすいため、女性の方が効果が出やすいようです。女性から副作用の訴えなどがあった時に検討できる要素になりそうですね。
代謝
肝臓で代謝される薬なので、肝機能障害がある方の場合、最大投与量が40mgになります。代謝経路は内服薬を決めるときの重要な要素になりますので、覚えておくと良いですね。特に、同じ効果の薬であっても代謝経路が異なることはよくあることなので、1つ1つを暗記するのはなかなか大変ですが、持病を持っている患者さんは多いので、その都度患者さんにあった薬を選べるようになりたいですね。
気をつける点はたくさんありますが今回はこの辺にしておきます(^^)同じARBでも違いはたくさんありましたね。今回は副作用など、前回と被ってしまう点は書かなかったのですが、個人的には「男女の差」など初めて知る部分があったので、自分で記事書いておきながら改めて添付文書の大切さが見にしみました(笑)