レバミピド、胃にもドライアイにも効く機序

こんにちは

今回は胃粘膜保護作用でお馴染みの「レバミピド」についてお話しします。先発品は『ムコスタ(R)錠』ですね。

また、ムコスタ(R)点眼UD2%という薬があります。適応はドライアイです。

なぜ、胃粘膜保護に使用される薬が、目のドライアイにも効果があるのでしょうか。

粘膜成分『ムチン』が関係!

胃潰瘍などの疾患は、なんらかの原因により胃酸分泌量(攻撃因子)が胃粘液量(防御因子)より勝ってしまうために起こる疾患です。レバミピドは、粘液増加作用、胃粘膜血流量増加作用などによって、攻撃因子には影響せずに胃粘膜を保護します。

この、胃の粘液中にムチンという糖タンパク質が存在します。レバミピドの作用によって、ムチンが増加していると考えられます。

ムコスタ点眼液はドライアイに処方される薬です。ドライアイとは涙の量が減ってしまい、目が乾きやすくなる疾患です。涙は油層、水層、ムチン層の三層から構成されていますが、ムチン量が減少し、水層を安定化させる機能が破綻してしまうことにより、涙成分のバランスが乱れ、ドライアイが起きてしまいます。

胃粘膜保護作用を持つレバミピドには、ムチンを増加させる作用があるため、これが角膜上皮障害を改善し、ドライアイ治療にも利用されています。

胃粘膜保護作用とドライアイ治療にはこのような共通点があったんですね。

医療の関連記事
  • レボフロキサシン点眼薬、濃度の違い
  • 尿路感染症を予防する“飲み物”!?
  • 脱水時の検査値、症状あれこれ
  • プラセボってなに?
  • 骨粗鬆症の注射剤まとめ
  • プレアボイドってなに?
おすすめの記事
わたしの本棚(5)
わたしの本棚
こんにちは。私が読んでる本をご紹介します!今回はこちら! 『マンガでわかる薬剤師  あなたの知らない調剤薬局の裏側  漫画:油沼 原案、監修...
薬の名前の由来、知ってる?
コラム
こんにちは。今回は薬の商品名の由来をいくつか調べてみました!効果が名称の由来だったりすると、ついつい忘れてしまった時でもすぐに思い出せるかも...
【再確認!】アセトアミノフェン
薬の復習
お薬について1種類ずつ定期的に注目していこうと思い、新しくコーナー?を作りました! 初回の今回は「アセトアミノフェン」 「基礎中の基礎じゃな...
プラセボってなに?
医療
こんにちは。今回は『プラセボ』の話。みなさんご存知だと思いますが復習してみます! 『プラセボ』とは日本語で『偽薬』のことで、効果のないもの薬...
子供の座薬の入れ方
医療
こんにちは。 子供ってよく風邪ひきますよね。。。私にも2人子供がいるんですが、どちらもまだ小さくて、よく風邪ひいています。 特に1歳台はずっ...
投与速度が決まっている薬剤
医療
こんにちは。今回は添付文書上、注射速度に規定がある注射剤をいくつかピックアップしてみました。参考にしてください。 ①KCL注 前回の『再確認...