こんにちは。今回は注意すべき所が多いKCL注について確認していきます。
KCL注ってどんな薬?
KCL(塩化カリウム)注の適応は、低カリウム血症です(添付文書には『電解質補液の電解質補正』と記載あり)。しかし、他の注射のように気軽に扱うことはできません。心停止を引き起こす急激なカリウムの上昇は心機能を停止させてしまう原因となります。
そのため、病院では取り扱いや保管、個数管理をしっかりと記録していると思います。詳しく投与方法について確認したいと思います。
注意点
- 20mEq/h以上
- 40mEq/L以下
- 100mEq/日以下
- 必ず希釈(シリンジポンプ禁)
これはよく試験に出たりする内容なので覚えている薬剤師さんも多いと思います。
個人的に1番注意すべき点は②④です。
必ず希釈しなければいけないので、輸液に混合すると思います。輸液は500mLであるものが多いため、中に入るカリウムは40mEq/L=20mEq/500mLということになります。
輸液にはYDソリタ-T3やソルデム3Aのように、すでにカリウムが含まれているものがあります。
そのため、「輸液500mLに20mEqまで入れられる!」というわけではなく、処方されたメインの輸液に何mEqのカリウムが含まれているのか覚えておき、処方されたKCL注のmEq数と足して20mEq/500mL以下となるように確認しましょう。
塩化カリウムって黄色なの?
実際に見たことある方はご存知だと思いますが、KCL注は黄色の液体をしています。
『塩化カリウムって黄色なんだー』って思われる方も多いかもしれませんが、この色は添加物であるリボフラビンリン酸エステルナトリウムの色です。
これは着色剤として添加されており、透明の輸液に混ぜた際に『KCLが混注されている』ということが目で確認できるようになっています。
他の輸液と区別がつきやすいので、確認ミスが起きづらくなっています。製薬会社さんの注意喚起ですね。
ちなみにリボフラビンは光に不安定で、分解すると沈殿物や退色することがあるため、遮光保存です。
今回の再確認は以上になります。点滴速度や投与方法を誤ってしまうと患者さんの命に関わる薬剤なので、処方内容はしっかり確認し、管理や保管方法などを徹底しましょう。