こんにちは。今回は白色ワセリンとヘパリン類似物質含有製剤のミックスについてです。
それぞれの効果白色ワセリンもヘパリン類似物質含有製剤はどちらも『保湿剤』として頻繁に使用される薬剤になります。まずはそれぞれの薬効について確認します。
白色ワセリン
- 代表的な油脂性基剤
- 塗布すると皮膚を覆い、水分の蒸発を防ぐ
- べたつきあり
ヘパリン類似物質製剤
- 血行促進作用・吸湿効果があり、皮膚の角層に水分を付与する
- 保湿効果は持続的
- ソフト軟膏、ローション、スプレーなど多くの種類あり
どちらも十分に効果が認められている保湿剤ですよね。ミックスしたら相乗効果が現れるかも!?
ミックスにより分離→混合不可
白色ワセリンとヘパリン類似物質含有製剤のソフト軟膏を1:1で混合すると、常温保存で、1~2週間ほどで分離してしまいます。
また、混合するとヘパリン類似物質製剤単独使用よりも効果が減弱する、という論文もあります。
ということで、白色ワセリンとヘパリン類似物質含有製剤の混合は避けた方がいいです!
ちなみに、『どうしても混合してほしい!』と医師より依頼があった場合は、冷所保存してもらうように患者さんにお願いしましょう。冷所保存すれば分離しづらくなります。
今回は軟膏の混合可否について書いてみました。他にも混合不可の軟膏はありますので、よくありそうな処方がありましたらまた記事にします。