【再確認!】メトクロプラミド

こんにちは。今回は前回のドンペリドンと合わせて覚えておきたい制吐薬のメトクロプラミドについてです!
ドンペリドンと比較しながら確認していきます。

効能効果

用法用量は、塩酸メトクロプラミドとして10〜30mgを1日2〜3回に分けて分服します。こちらも食前投与になります。

制吐薬としての効果はもちろんなんですが、X線検査時のバリウムの通過促進作用があります。メトクロプラミドを内服した方がバリウムの胃排出速度が早いことがわかっています。

ドンペリドンとの違い

妊婦に使える

つわりの吐き気に処方されることもあります。でもつわり自体、薬があまり効かないので効果は期待できないかも。

授乳に関しては、どちらもほとんど差はなく、投与しても問題ないとされています。

代謝

メトクロプラミドは主に腎排泄、ドンペリドンは主に肝代謝です。
患者さんの持病によって処方が変わるかもしれません。

作用


メトクロプラミドは血液脳関門を通過するため、中枢に作用しやすく、ドンペリドンと比較すると中枢性の副作用(錐体外路症状など)が起きやすいと言われています。

ドンペリドンは血液脳関門を通らないため、あまり中枢に作用することはありません。

剤形

メトクロプラミドには錠剤、シロップ剤、細粒、注射剤があります。

ドンペリドンには錠剤、OD錠、DS(ドライシロップ)、坐剤があります。

このため、寝たきりの人や点滴中の方には内服が不可能なためメトクロプラミドが処方されルことが多く、乳幼児には坐剤で処方されることが多いためドンペリドンが処方されることが多いでしょう。

今回は同効薬であるドンペリドンと比較しながらメトクロプラミドについて確認していきました。どちらも剤形の種類が多く、処方頻度も高い薬物になります。どちらが適している患者さんなのか、判断すべき時が来るかもしれませんので、改めてチェックしておきましょう。

参考文献:ナウゼリン錠 添付文書&インタビューフォーム
     プリンペラン錠 添付文書&インタビューフォーム
     『薬局にすぐに役立つ 薬の比較と使い分け100』児島悠史著 

薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100 児島悠史/著

価格:4,180円
(2021/3/16 00:15時点)

薬の復習の関連記事
  • 【再確認!】フェインジェクト
  • 【再確認!】メトクロプラミド
  • 【再確認!】ドンペリドン
  • 【再確認!】シロスタゾール
  • 【再確認!】KCL注
  • 【再確認!】アゼルニジピン
おすすめの記事
プレアボイドってなに?
医療
こんにちは。今回は『プレアボイド』についてご説明します!疑義照会と混在しやすい部分もありますので注意しましょう! プレアボイド 『プレアボイ...
桂枝加芍薬湯と小建中湯の違いは?
医療
ある日、Drに質問されました。 「うちの小学生の息子が過敏性腸症候群っぽいんだ。同僚の漢方専門医に話してみたら『それなら桂枝加芍薬湯か小建中...
ガバペンチンの適応
医療
こんにちは。今回はガバペンチンについてです。 ガバペンチンはご存知の通り、抗てんかん薬です。作用機序は、実はまだハッキリと分かっているわけで...
便の色が変わる薬
医療
こんにちは。以前『尿の色が変わる薬剤』について書きましたが、今回は『便の色が変わる薬剤』についてまとめてみました。 便の色が変わる薬剤↓ 黒...
ポリファーマシーを防ぐには①入院時
コラム
例えば薬A、B、Cを内服していたとします。すると、とある症状が出てきました。それは薬Aの副作用だったのですが、Drは気づかず、その症状を抑え...
インフルエンザと薬
医療
こんにちは(^^) 前回はインフルエンザワクチンについてでしたが、今回はインフルエンザの治療薬や、飲んではいけない薬などについて書いていきま...
柑橘類、OKなものとNGなもの
医療
こんにちは。今回は薬との相性が悪い柑橘類のジュースについてです。 グレープフルーツ(柑橘類)と薬の関係 柑橘類に含まれるフラノクマリン類は、...
【再確認!】アゼルニジピン
薬の復習
こんにちは 今回は、前回と同じグループであるCa拮抗薬のアゼルニジピンについて添付文書を見ていきたいと思います。 先発品は『カルブロック(R...