ホントにあった副作用の話【エピナスチン】

こんにちは。今回はエピナスチン内服中に起きた副作用についてです。今までの副作用の話とは違い、今回は『エピナスチンに良く起こる副作用』についてではありません。そして副作用が起きた患者は私自身です(笑)

エピナスチン

まずエピナスチンとは、先発名『アレジオン』であり、第二世代抗ヒスタミン薬です。OTCも出ていてCMもやっているので薬剤師でなくても知っている方は多いはず。

副作用:吐き気

私は花粉症なので、毎年年始には花粉症の薬をもらいにクリニックへ行っています。この時は大学4年生で、数日後に『OSCE』が控えていました。特に『花粉症にはコレ!』と決めていなかったため、医師の好みでエピナスチンが処方されました。これが悪夢の始まりです…笑

最初飲み始めた時はそこまで問題はありませんでした。しかしなんとなく胸がムカムカ?違和感があるなぁ…とは思っていましたが、まさか副作用だとは思わず、薬をちゃんと飲んでいました。

するとOSCE当日の朝、とんでもなく強い吐き気で目が覚めました。とにかく気持ち悪い!なにも食べられない!寒気もありました。なかなか体調は良くなりません。母には『大学休む?』と言われましたが、進級がかかったOSCEです。休むわけにはいきません。

(一瞬『再試験を受けるか』ということが頭をよぎりましたが、試験を後回しにしたくないなと思いました)

父にお願いして大学まで車で送ってもらいました。

そしてこの時、吐きそうな私は朝分のエピナスチンを内服しませんでした。

すると、試験開始直前には徐々に体調が回復していきました。(寒気はまだあったので、試験官にお願いしてホッカイロを持つ許可をもらっていました笑)

最初は気付かなかったんですが、吐き気の原因を考えてみるとやっぱりエピナスチンかな…と思い、それから内服を一旦中止してみるとその後吐き気が起きることはありませんでした。お昼ごはんも問題なく食べられました。

薬剤師としてできること

この一件で伝えたいことは『エピナスチンの副作用』についてではなく、『どんな薬でも副作用は起こる』ということです。

エピナスチンは幅広い世代に内服され、得意的に『吐き気がよく起こるよ!』ということでもありません。そんな薬でも人によって合う・合わないがあり、副作用は起きる人には起きます。添付文書を見ると副作用発生率が低い薬でも、0ではありません。どんな薬でも薬剤師として副作用の可能性を頭に入れておき、注意喚起をしておきましょう。

医療の関連記事
  • レボフロキサシン点眼薬、濃度の違い
  • 尿路感染症を予防する“飲み物”!?
  • 脱水時の検査値、症状あれこれ
  • プラセボってなに?
  • 骨粗鬆症の注射剤まとめ
  • プレアボイドってなに?
おすすめの記事
ラタノプロスト、なぜ寝る前点眼?
医療
看護師「ラタノプロスト点眼なんだけど、処方が寝る前なんだけど寝る前じゃないとダメなのかな?」 と、先日質問されました。 確かに、ラタノプロス...
ポリファーマシーを防ぐには①入院時
コラム
例えば薬A、B、Cを内服していたとします。すると、とある症状が出てきました。それは薬Aの副作用だったのですが、Drは気づかず、その症状を抑え...
花粉症に一番効くのはどれ?
医療
「わたしは薬剤師です」と自己紹介すると、初対面の人に結構な確率で聞かれるのが上の質問です。 わたしも花粉症です。いやーだんだんツライ季節にな...
賦形剤で乳糖が使えない時って?
医療
こんにちは。今日は賦形剤についてです。 多くの調剤室には賦形剤として乳糖とトウモロコシデンプンが置いてありますよね。ほとんどの場合、粉砕時の...
ヒルドイド(R)ってお店で買える?
医療
これは 数年前に患者さんからいただいた質問です。質問されたのはわたしではないですけど。 この患者さんは、皮膚科で処方されたヒルドイドソフト軟...
スパイスの効能
薬膳
こんにちは。今回は薬膳のお話です。 最近テレビに影響されてスパイスカレーを作ってみたんです。とてもおいしかったんですが、このスパイスカレーに...
病院薬剤師の1日
コラム
こんにちは。今回は私のとある1日をご紹介します。『病院薬剤師ってこんな感じなんだ!』と、なんとなく知っていただけると良いです。あくまで『私が...
【薬膳】四(五)性とは
薬膳
こんにちは。今回は【薬膳】で用いられる用語『四性』についてご説明いたします。 食材には体を温めたり、冷やしたりする力があるものがあります。こ...