脱水時の検査値、症状あれこれ

こんにちは。今回は脱水についてです。気温が上がってきて心配なのは脱水症状ですよね。ちゃんと水を飲んでても真夏の直射日光の下にいるとめまい、目がチカチカしたりなど身体的に危なくなることがあります。検査値で脱水であるか否か確認できるので、少し復習していきます!わたしも脱水症状になったことがあるので、実体験も最後の方にお話ししますね。

脱水とは

まず、脱水とはなんなのか。その名の通り体内から水分が失くなってしまっている状態です。摂取水分が少なかったり、汗を異常にかいたりすると起きてしまいます。症状としては皮膚の乾燥、口渇、めまい、ふらつき、吐き気、尿の減少など。状態が悪いと意識障害も起き、最悪の場合亡くなってしまうこともあります。

脱水時の検査値

採血し、検査値を確認することで脱水状態かどうか判断することができます。

尿酸値の上昇
尿素窒素/クレアチニン値=20以上
ヘマトクリット高値  など

脱水が起きると、体は『これ以上水分を出しちゃダメだ!』と思うので尿量が減ります。体内で作られた尿酸は汗などでは出ていかず、主に尿で排泄されます。そのため尿量減少→尿酸の排泄量減少→尿酸値が上昇します。

尿素窒素は肝臓で合成される代謝物です。これは腎臓で約半分程度が再吸収されます。脱水が起きると尿素窒素は通常よりも尿として出ていく量が減るため再吸収されつづけます。そのため、血中尿素窒素量は増加します。
クレアチニンは筋肉細胞の中にあるもので、細胞が壊れたときに尿から排泄されるようになっています。こちらは尿素窒素とは違い、再吸収されません。このため、血中の尿素窒素量とクレアチニンの量は大きく離れてしまいます。20ほど差が出ると脱水の可能性が高いと言えます

これら以外にも、赤血球数やヘモグロビン値なども上昇します。これは、体内の水分量低下→血液量の低下→腎臓へ行く血液量低下→腎臓の状態悪化によって起こります。急性腎不全ですね。

脱水によって様々な検査値が変動しますが、全ての検査値変動が必ず起こるわけではありません。症状なども合わせて状態を確認することが大切です。

治療方法

軽症な場合は市販されている経口補水液を飲みましょう。夏場には必ずと言っていいほどドラッグストアや薬局で販売されています。真夏の直射日光の下で活動しなければならないと事前にわかっている場合は、事前に購入し、なるべく頻繁に飲むようにしましょう。

重症で病院に行った場合は輸液を点滴します。大量に汗をかいた場合などの脱水は体内の細胞外液のみならず、細胞内液も水分が減っている状態です。このような状態を【水分欠乏型脱水】と呼ばれ、‘基本的‘に維持輸液や5%ブドウ糖液を点滴します。
(しかし、脱水はしばしば【水分欠乏型脱水】と、細胞外液のみ水分が減っている【Na欠乏型脱水】の2つが同時に起きます。その場合は塩化ナトリウムを含む輸液と点滴することもあります)

実体験の話

私がまだ薬学生の頃、真夏に急に吐き気が止まらなくなったことがあります。特に外にいることが多かったわけでも、摂取する水分量が少なかったわけでもないのですが(まぁ実際はどちらか起きていたのかもしれませんが自覚はなかった)、大学に行くために電車に乗っていると徐々に吐き気が起き、少し時間が経つと下痢も起きました。近くのクリニックに行くと「おそらく脱水症状だろう」と言われ、生理食塩水を500mL点滴してもらいました。すると吐き気はみるみるなくなっていきました。

しかし、すぐに体調万全にはならなかったようで、この年の夏はずっと体調が悪く、食欲がない日が続いたのを覚えています。急に起きる吐き気が怖くて、クリニックでもらったドンペリドン錠をお守りとして肌身離さず持っていました笑

さて、今回は脱水について勉強しました。脱水が起きると腎血流量が減って様々な検査値に影響が出ることを忘れずに。でも1番は患者さんの状態確認を大切にしてください。夏は経口補水液を常備しておきましょう!

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