こんにちは
今回は前回の記事にも書いた『ジェネリックの製剤工夫』についてです。
この製剤工夫によって助かっている患者さんも多いと思われます。メーカーさんの頑張りはすごいですよね。
ここでは少しだけですが、どんな工夫があるのか紹介したいと思います。
①ジェネリックのみ“液剤“がある鉄剤
貧血で処方される鉄剤の先発品には『フェロミア(R)錠剤、顆粒』『フェルム(R)カプセル』などいくつかありますが、液剤はありませんでした。
散剤だと、薬剤師が分包する手間が発生しますし、簡易懸濁する際にこぼしてしまうこともあります。
アルフレッサファーマさんが作った『インクレミン(R)シロップ』は鉄剤の唯一の液剤になります。
飲み込みが難しいが粉は苦手な人などにも利用しやすい製品ですね。
②保管しやすくなった点眼剤
緑内障などに処方されるキサラタン(R)点眼は冷暗所保存です。患者さんには冷蔵庫で保管するように指導している薬剤師さんも多いと思われます。
しかし冷所保存というのは点眼忘れの原因の一つにもなります。手元になければ忘れてしまいますよね。
なんと日東メディックさんや沢井製薬さんなどが作っているジェネリックの『ラタノプロスト点眼』は常温で保存可能です!
常温で保管できるのなら、他の点眼を使っている患者さんでも同じポーチに入れておくこともできるので、忘れる心配がないですね(^^)
③ジェネリックだけスプレーがある外用剤
最近OTCのCMも見かけるようになったヒルドイド(R)外用剤シリーズですが、先発品にはローションとソフト軟膏、クリームしかありません。
しかし日医工さんがヘパリン類似外用スプレーを発売しました。
スプレーはシュッと出して手で撫でるだけで簡単に薄く塗り広げることができます(^^)とっても使いやすいですよ。
ローションと比べるとパッケージが大きいので持ち運びは大変かもしれませんが、使い勝手は良いと思います。
④味が違う抗生物質
抗生剤は小さい子供にもよく処方される薬です。meiji製菓ファルマさんが発売している先発品;メイアクトMS(R)小児用細粒はバナナ味でわずかに苦味があります。
それに対して東和薬品さんや長生堂製薬さんが発売しているセフジトレンピボキシル小児用細粒の味はオレンジ味です。味が異なるジェネリック医薬品というのはこれ以外にもたくさんあります。子供は特に苦味に敏感で、嫌だと思ったらなかなか薬を飲んでくれません。飲み比べして飲みやすい味のものを置いておきたいですね。
今回は代表的な4つを載せてみましたが、他にもよくあるのは、錠剤の場合先発品よりも大きさを小さくしたり、テープ剤が剥がれにくくなったり。ジェネリック医薬品は先発品と同じ成分ですが、だからといって作っているジェネリックメーカーさんがそのまま作るわけではありません。製剤の選択肢が増えることによって、患者さんに合った製剤を見つけやすくなります。製薬会社さんの頑張りにはいつも感謝しちゃいますね。