高血圧治療薬まとめてみた(Ca拮抗薬、ARB、ACE阻害薬など)

こんにちは。今回は高血圧治療薬についてまとめてみました。

高血圧は、病院に入院している患者さんのほとんどが罹患していると思われるほど多くの方が悩んでいる疾患であり、多くの病気のきっかけは高血圧であることが多いです。

この記事では、高血圧治療薬の中でも第一選択薬になりやすいCa拮抗薬、ARB、ACE阻害薬について、とっても簡単に特徴などをまとめてみました。

Ca拮抗薬

  • 代表薬はアムロジピン
  • 効果は強め→服用者多い
  • 頻脈が少ない
  • 心抑制作用あり
  • 腎保護作用あり
  • 血管に直接作用する
  • 副作用は少ない(動悸など)
  • グレープフルーツジュース禁忌
  • 妊婦禁忌

ARB

  • 代表役はオルメサルタン
  • 効果は強め→服用者多い
  • 心保護作用あり
  • 糖尿病の方にも一部適している
  • 副作用少ない(K値上昇など)
  • 今回紹介する3剤の中で1番高価
  • 妊婦禁忌

ACE阻害薬

  • 代表薬はイミダプリル
  • 効果は上記2剤と比べると弱い
  • 歴史ある薬
  • 糖尿病の方にも一部適している
  • 副作用は空咳→嚥下障害ある方に適している
  • 安価
  • 妊婦禁忌

効果以外の意外な盲点

Ca拮抗薬やARBは多くの高血圧患者さんに服用されている薬であり、副作用も少なく、最もポピュラーであると思われます。Ca拮抗薬の注意点は、グレープフルーツジュースが禁忌であること。夏になるとスッキリした柑橘系の飲み物を欲する方が多いため、必ず説明が必要です。

また、ARBはこの3種類の薬剤の中で1番高価な薬になります。ジェネリックもほとんどのARBに存在しますが、値段を抑えたい患者さんにはあまりお勧めしません。しかし、抗糖尿病効果や、腎保護作用を持つ薬もあるため、合併症を持つ患者さんに合った高圧剤をチョイスしやすいメリットもあります。

ACE阻害薬の代表的な副作用は空咳です。副作用だけ見ると敬遠しがちですが、この咳によって嚥下障害がある方の誤嚥を予防すると言われています。ACE阻害薬は効果が弱めのため、他剤と併用することが多いです。

他の高圧薬

高血圧ガイドラインに記載がある他の降圧剤として、利尿薬やβ遮断薬などがあります。

利尿薬

利尿薬は、種類としてループ利尿薬、サイアザイド系利尿薬、抗アルドステロン利尿薬などがありますが、降圧を目的として主に処方される利尿薬はチアジド系と抗アルドステロン利尿薬です。これらは第一選択薬として選ばれることはとても少ないです。そのため、処方される際はすでに他の降圧剤を内服していることが多いです。低血圧に注意しましょう。

β遮断薬

β遮断薬は第一選択薬として選ばれることはまずありません。高血圧ガイドライン上で第一選択薬の選択肢から外れたからです。β遮断薬を選ぶ際に注意する点は、β1選択的か否か、α遮断作用も持つか、内因性交感神経刺激作用の有無などになります。心臓の負担を軽減し、血圧を下げる効果があるβ受容体はβ1になるため、その選択性は重要視されています。また、α受容体を刺激してしまうと血管が収縮してしまい、降圧作用が減ってしまうため、α受容体もともに遮断する薬の方が重宝されます。内因性交感神経刺激作用があると、副作用の徐脈を起こしづらいと言われています。あまり降圧剤としては使用されませんが、不整脈などの心臓疾患の既往がある患者さんの場合は処方されることがあるため、知識として知っておきましょう。

今回は高血圧治療薬についてとっても簡単にですがまとめてみました。多くの方が治療薬を内服している疾患になります。そのため多くの薬剤師さんがご存知だとは思いますが、なんとなく調剤している方も多いのでは?改めて勉強することによって、「あ、この患者さんは糖尿病も既往があるからこっちの高圧剤の方がいいかも」など、患者さん1人1人に適した薬を提案することができる薬剤師を目指して勉強しましょ♪

参考資料;『治療薬ハンドブック2020 じほう』

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