こんにちは。今回はバナナについてです。
バナナって一般的に『カリウムが豊富に含まれているから利尿作用とかあるよ』って言われてますよね?
でも、どの程度豊富なのか知ってますか?ちょっと調べてみました。
バナナ1本=約9mEq
大きさにもよりますが、バナナの可食部は100gとします。
カリウムは1mEqあたり39.1mgです。
日本食品標準成分表より、バナナは100gあたり360mgのカリウムを含むため、360÷39.1=約9.2mEqとなります。
カリウム製剤と比較すると?
カリウムを補給する目的で投与される処方薬についてですが、
- アスパラカリウム錠300mg=1.8mEq
- スローケー錠600mg=8mEq
- グルコンサンK錠=5mEq/2.5mEq
- アスパラカリウム散1g=2.9mEq
- グルコンサンK細粒1g=4mEq
これを見ると、1錠/1包単位において、バナナはあらゆるカリウム製剤よりカリウムが豊富ということになります!すごい!
薬の代わりになる?
当院でもこのバナナパワーを利用したことがありました。
とある患者さん。回復期入院なので比較的元気な方だったのですが、採血の結果カリウムが少し低めということがわかりました。しかし、すでに内服薬はいくつかあるため、これ以上薬を増やすのも気が引ける…
と思った時に、Drと相談し、栄養科に頼んで食事の際にバナナを出してもらうことにしました。
すると1ヶ月後、カリウム値は基準値内に入っていました。
ということで、バナナは薬と同じような効果をもたらすことがある!ということがわかりました。
もちろん、人にも量にもよると思いますし、摂取し過ぎも問題になると思いますので注意は必要です。定期的に検査できる環境の方がいいとは思います。
でも、低カリウム状態になりやすい利尿薬内服中の方や、採血時に判明した方などは試してみてもいいかもしれません。