ドンペリドン坐剤、規格による違いは?

こんにちは。今回は久しぶりにDrからの質問を記事にしてみました。

『ドンペリドン(先発品:ナウゼリン®︎)坐剤、当院の採用は30mgと60mgだけど何が違うの?』

という問い合わせを受けました。

ではまず、添付文書を確認しましょう!

10、30は小児、60は成人

当院の採用は30mgと60mgですが、世の中には10mg規格もあります。

では、これらの違いについて調べました。

添付文書上の適応疾患↓

  • ナウゼリン坐剤60
    •  成人:下記疾患および薬剤投与時の消化器症状(悪心、嘔吐、食欲不振、腹部膨満、上腹部不快感、胸やけ)
      • 胃・十二指腸手術後
      • 抗悪性腫瘍剤投与時
  •  〈ナウゼリン坐剤10、ナウゼリン坐剤30〉
    •  小児:下記疾患および薬剤投与時の消化器症状(悪心、嘔吐、食欲不振、腹部膨満、腹痛)
      • 周期性嘔吐症、乳幼児下痢症、上気道感染症
      • 抗悪性腫瘍剤投与時

上記の添付文書の内容を見てわかるように、60mgは成人、10mgと30mgは小児用に製剤されています。

『適応』がこのように書かれているため、60mgが小児に処方されたり、10mg又は30mgが成人に処方されてるのは『適応外』となってしまうため注意しましょう。

又、『協和キリンメディカルサイト』によりますと、成人の適応が『胃・十二指腸手術後、抗悪性腫瘍剤投与時の消化器症状』となっているため、例えば慢性胃炎などで起きる消化器症状に処方されても『適応外』になってしまいます。

用法及び用量↓

  • 〈ナウゼリン坐剤60〉
    • 成人:通常、ドンペリドンとして1回60mgを1日2回直腸内に投与する。
      なお、年令、症状により適宜増減する。
  • 〈ナウゼリン坐剤10、ナウゼリン坐剤30〉
    • 小児:3才未満の場合、通常ドンペリドンとして1回10mgを1日2~3回直腸内に投与する。
      3才以上の場合、通常ドンペリドンとして1回30mgを1日2~3回直腸内に投与する。
      なお、年令、体重、症状により適宜増減する。

添付文書では上記のような記載になっています。小児の場合、『3歳』を境に用法用量が異なっています。
又、1日に投与する回数も異なるため、鑑査の時はよく確認しましょう。

今回はDrのドンペリドン坐剤の問い合わせから、坐剤についての適応、用法用量を確認しました。
このブログでも『規格によって適応が異なる薬があるよー!』というものをいくつか紹介してきました。いつもなかなか見かけない規格や処方だったりすると見逃してしまうこともあるので、定期的に自分の知識を再確認&アップロードしていきましょう!

参考:ナウゼリン®︎坐剤10、30、60mg 添付文書 (協和キリン株式会社)
   協和キリンメディカルサイト

https://medical.kyowakirin.co.jp/druginfo/qa/nau/index.html
医療の関連記事
  • レボフロキサシン点眼薬、濃度の違い
  • 尿路感染症を予防する“飲み物”!?
  • 脱水時の検査値、症状あれこれ
  • プラセボってなに?
  • 骨粗鬆症の注射剤まとめ
  • プレアボイドってなに?
おすすめの記事
病院薬剤師の1日
コラム
こんにちは。今回は私のとある1日をご紹介します。『病院薬剤師ってこんな感じなんだ!』と、なんとなく知っていただけると良いです。あくまで『私が...
鎮咳薬を去痰と併用?
未分類
先日Drから問い合わせの電話がありました。 「うちで採用している去痰薬ってなに?」 当院採用薬は主にカルボシステイン、アンブロキソールである...
子供の座薬の入れ方
医療
こんにちは。 子供ってよく風邪ひきますよね。。。私にも2人子供がいるんですが、どちらもまだ小さくて、よく風邪ひいています。 特に1歳台はずっ...
内服の用法(時間)、どう説明する?
医療
こんにちは。今回は用法のなかでも内服のタイミング(食後、食前、食間、食直前、食直後、起床時、寝る前など)の説明についてです! これらのタイミ...
初めまして!
未分類
初めまして。神奈川県で病院薬剤師をしています! 薬剤師さんなら分かると思いますが、、、 薬剤師をやっていると、医師、看護師、患者さんなど、い...
鉄剤のあれこれ
医療
こんにちは。今回は鉄剤のあれこれについてまとめていきます。 フェロミアとフェロ・グラデュメットの違い まずは鉄剤としてよく処方されている『フ...