ニフェジピンCRからニフェジピン細粒へ変更!注意点は?

患者さんの状態が悪くなり、内服薬が錠剤から粉砕へ変更となりました。病院に勤めていればよくあることですね。

ここで少し疑問に思ったことがありました。

ニフェジピンCR内服中だったこの方(高血圧症)、これを粉砕にはできないのでニフェジピン細粒を使用することになるのはわかったのですが、投与量はこのままでいいのかな?

まぁ同じ「ニフェジピン」だけど。。。

CRから細粒って変わったりするかしら。。。

ということで調べてみました。

添付文書に差が!!

ニフェジピンCR錠の添付文書↓

『高血圧症:ニフェジピンとして20mg〜40mgを1日1回経口投与する。

  • ただし、1日10〜20mgより投与を開始し、必要に応じて順次増量する。
  • なお、1日40mgで効果不十分な場合には1回40mg1日2回まで増量できる。』

ニフェジピン細粒の添付文書↓

『ニフェジピンとして1回10mgを1日3回経口投与する。症状に応じて適宜増減する』

ふむ。。。

ニフェジピン細粒には最高投与量の記載がありません!

たまたまこの患者さんは、ニフェジピンCR錠を最高投与量の1回40mg1日2回で内服していました。

ニフェジピン細粒も、ニフェジピンCR錠と同じ量でいいのか。。。ちょっと不安に思ったので、メーカーさんに問い合わせしてみました。

最高投与量に変化あり

メーカーさん「基本的に錠剤から細粒に変更する場合、容量は同じで問題ありません。

ただし、ニフェジピン細粒については1日60mgを超えて投与したデータはありません。そのため、ニフェジピンCR錠を最大投与量で投与していた場合は、ニフェジピン細粒1回20mg1日3回(60mg/日)を推奨致します

おやまぁ。。。

ということで、今回の患者さんはニフェジピンCR錠1回40mg1日2回からニフェジピン細粒1回20mg1日3回へ変更となりました。

ニフェジピンCR錠を最高投与量いっている場合は、同等量でニフェジピン細粒へ変更できない(オススメしない)ためご注意を!

この方のその後の血圧ですが、とくに変化はありませんでした。

(ただし、この患者さんはとにかく血圧が高く、降圧剤4種類使用し、すべてが最高投与量で内服しているのに血圧170くらいまで上がることも多々ある珍しい患者だったため、本当に変化がなかったのか、そもそも降圧剤が全く効いてないんじゃないかわからないところではあります)

今回のように、添付文書に記載が特になく、不確かな場合はメーカーさんに確認することも重要ですね。気になることをスルーしてしまうと、また別のタイミングで同じような出来事が起きたりするので、気になったら調査!を心がけていきましょう。

医療の関連記事
  • レボフロキサシン点眼薬、濃度の違い
  • 尿路感染症を予防する“飲み物”!?
  • 脱水時の検査値、症状あれこれ
  • プラセボってなに?
  • 骨粗鬆症の注射剤まとめ
  • プレアボイドってなに?
おすすめの記事
投与速度が決まっている薬剤
医療
こんにちは。今回は添付文書上、注射速度に規定がある注射剤をいくつかピックアップしてみました。参考にしてください。 ①KCL注 前回の『再確認...
【再確認!】KCL注
薬の復習
こんにちは。今回は注意すべき所が多いKCL注について確認していきます。 KCL注ってどんな薬? KCL(塩化カリウム)注の適応は、低カリウム...
尿の色が変わる薬剤
医療
こんにちは。今回は服用後に尿の色が変わってしまう薬剤をまとめてみました。 尿の色の変化は、服薬指導時に伝えなければならない必要な情報です。覚...
【薬膳】四(五)性とは
薬膳
こんにちは。今回は【薬膳】で用いられる用語『四性』についてご説明いたします。 食材には体を温めたり、冷やしたりする力があるものがあります。こ...
わたしの本棚(2)
わたしの本棚
こんにちは 私の持っている本を紹介する記事です!今回はこちら!! 『2ページで理解する 標準薬物治療ファイル 改訂3版』南山堂 気に入ってい...
【再確認!】シロスタゾール
薬の復習
こんにちは。今回はシロスタゾール(OD)錠について、添付文書を見て再確認していきます。 効果 シロスタゾールは抗血小板薬です。 適応は『慢性...