【再確認!】オメプラゾール

第2回目の薬剤は「オメプラゾール」です。今回は内服ではなく、注射についてです。

PPIとしてよく使用されている薬の1つですが、注意点はいくつかあります。基本的すぎて見逃しがちですが、おさらいしていきましょう。

適応:経口投与不可能な下記の疾患: 出血を伴う胃潰瘍、十二指腸潰瘍、急性ストレス潰瘍及び急性胃粘 膜病変

上記のように、経口投与可能な患者さんの場合は適応外です。

溶解液の注意点は?

オメプラゾール注はバイアル製剤であり、中身は粉です。そのため、投与する際は溶解液が必要です。

溶解液は生理食塩水でも5%ブドウ糖液でも問題ありません。ただし、この2つ以外の補液、輸液、薬剤との混注などは不可となっています。

もともと配合変化を起こしやすい薬剤になるため、多剤との混注はさけたほうがいいですね。

投与日数は?

今回のメインはこれといっても過言はないでしょう←笑

オメプラゾール注の添付文書には以下のように記載があります。

『国内臨床試験において、本剤の7日間を超える使用経験はない。』

そのため、7日を超えて投与を継続した場合、保険が切られる可能性が高いです。

漫然と投与が続いていないかを確認し、7日目が近づいてきたら処方医へ連絡することが必要です。これが結構見逃しがちになる病院もあると思うので、要確認ですね。

ちなみに、オメプラゾールは肝代謝のため、肝臓が悪い患者には慎重投与です。こちらも検査値を確認していく必要があります。

今回は以上になります。この薬剤に関わらず、添付文書をよく読むと重要な情報が改めて確認できることがあります。自分だけでなく、新人薬剤師さんたちも添付文書をよく読むことをオススメします^^

参考文献:オメプラール®︎注用20 添付文書(アストラゼネカ株式会社)

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