ある日、Drに質問されました。
「うちの小学生の息子が過敏性腸症候群っぽいんだ。同僚の漢方専門医に話してみたら『それなら桂枝加芍薬湯か小建中湯がいい』って言われたんだけどどっちが良いのかな?」
そこまで話したなら、どっちが良いのかまで漢方専門医に聞いてほしいものですが(笑)とりあえず調べてみることにしました。
桂枝加芍薬湯について
配合生薬は、“芍薬、桂皮、大棗、甘草、生姜”の5種類です。
含まれている全ての生薬に、胃腸を温めたり、活発に動かしたりする効能があると言われています。大棗、甘草には滋養強荘作用があることから、この漢方は虚弱体質で胃腸が弱い方に使用されます。
下痢型の過敏性腸症候群によく処方される漢方薬として知られていますが、胃腸を整える作用があるため、便秘の方にも使用されます。
特に、この漢方薬には大黄が含まれていないため、高齢者や妊婦に対しても処方されやすい薬です。
小建中湯について
小建中湯は、桂枝加芍薬湯の生薬に『膠飴』が含まれています。違いはそれだけになります。
『膠飴』とは、水飴のことです。漢方としては全身に潤いを与え、滋養強荘などの作用があると言われています。
一般的に小建中湯は、桂枝加芍薬湯適応患者よりもさらに虚弱体質の方に処方されます。特に子供が多く、子供の胃腸障害や夜尿症、夜泣きなどに適しています。水飴が入っているので少し甘味があるそうです。
(私は、小建中湯は内服したことありませんが、同じく膠飴が含まれている大建中湯なら内服したことがあります。その時の印象としては、苦味がないため比較的飲みやすいな、という感じでした。ちなみに1番美味しかった漢方薬は麦門冬湯です)
ということで、最初のDrからの質問には「小建中湯が子供には適している」と回答しました。Drも納得し、喜んでくれました。
しかし、後日どうなったか聞いてみると、『小建中湯』は手に入らなかったようで、結局『桂枝加芍薬湯』を内服させたようです。。。まぁ、効果あればどちらでも良いんですけどね(笑)
参考資料;NHKきょうの健康 漢方薬辞典改訂版