こんにちは。今回はシロスタゾール(OD)錠について、添付文書を見て再確認していきます。
効果
シロスタゾールは抗血小板薬です。
適応は『慢性動脈閉塞症に基づく潰瘍、疼痛及び冷感等の虚血性諸症状の改善、脳梗塞(心原性脳塞栓症を除く)発症後の再発抑制』となっています。
警告!
シロスタゾール錠には警告が記載されています。
『本剤の投与により脈拍数が増加し、狭心症が発現することがある』
との記載があります。動悸、息切れを感じ始めたら心疾患の可能性があるため、患者さんに異変がないか、「ドキドキすることはありますか」など、注意して話を聞いてみてもいいですね。
副作用
抗血小板薬なので、注意しなくてはいけない副作用は【出血】になります。ケガをした際や抜歯などはよく言われています。あとは胃潰瘍などの消化管出血や眼底出血にも注意です。月経中の女性は出血量が増える可能性もあります。
さらに、【血糖上昇】の副作用も0.1%以下ですが報告されているため、糖尿病患者の血糖を定期的に確認していく必要があります。
【頭痛】も、国内第Ⅲ相試験で約10%の方に見られたとの報告があります。患者さんの体調変化がないかを傾聴しましょう
薬物代謝酵素
シロスタゾールはCYP3A4、CYP2C19によって分解されます。これらの酵素を阻害する薬剤などと併用してしまうと効果が増強してしまう可能性があります。
CYP3A4を阻害する薬物として、エリスロシンなどのマクロライド系抗生物質、シメチジン、ジルチアゼム塩酸塩、アゾール系抗真菌薬などがあります。飲み物だとグレープフルーツジュースが当てはまります。
CYP2C19を阻害する薬剤にはオメプラゾールなどが当てはまります。
食事の影響
『健康成人男性にシロスタゾール50mgを空腹時及び食後に単回経口投与したところ、食後投与の方が空腹時投与の場合よりCmaxで2.3倍、AUCinfで1.4倍高かった。』との記載があります。
空腹時投与してしまうと十分な効果得られない可能性が高いです。1日2回内服する薬なので、朝食は食べているのかは確認した方がいいかと思います。それでも、内服を忘れてしまった場合は思い出したときにすぐ内服した方がいいとは思いますが、もし軽食ができるような状況であれば少しでも何か食べた方がいいかもしれません。
でも、薬を飲まないよりは飲んだ方がいいので、忘れてしまった時は何も食べれない状況であってもすぐに飲んだほうがいいですね。
今回は抗血小板薬であるシロスタゾールについて、添付文書を見て注意事項を再確認しました。[警告]も出ている薬ですし、副作用の【出血】は中止または減量しなければいけないほど重要な事項です。内服している方も多い薬になるので、注意事項は忘れないように定期的に確認していきましょう。