投与速度が決まっている薬剤

こんにちは。今回は添付文書上、注射速度に規定がある注射剤をいくつかピックアップしてみました。参考にしてください。

①KCL注

前回の『再確認!KCL注』にも記載しましたが、低カリウム血症の方に使われるKCL注は急速静注すると命の危険があるため、投与速度や最大投与量が決まっている薬剤になります。

速度は20mEq/h以上です。500mLの輸液に10mEqのカリウムが入っている場合は、30分以上かけて点滴しなければなりません。

②イントラリピッド輸液

脂肪乳剤であるイントラリピッド輸液は、規格が10%と20%がありますが、どちらも添付文書上『3時間以上かけて点滴』と記載があります。

投与速度が早すぎると、脂肪分を消化・吸収ができないため、高脂血症の症状が起きてしまいます。そうなると血中に脂肪分が溜まり、詰まってしまいます。

ちなみに、『3時間以上』と記載がありますが、実際は脂肪分の投与速度が『0,1g/kg/hr以上』と決められているため、人によってはもっと時間をかける必要があります。

例えば、イントラリポス輸液20%を体重50kgの人に点滴する場合。イントラリポス輸液20%は100mLのため、脂肪分は20gとなります。体重50kgであれば投与速度は5g/hr以上点滴時間をかけなければいけないため、イントラリポス20%100mLは4時間以上かける必要があります。

また、イントラリピッド輸液は他薬剤との混合はできないため、前後に別の薬剤を点滴する場合は前後生食フラッシュが必要になります。

③塩酸バンコマイシン注

塩酸バンコマイシン注は、投与速度が『60分以上かける』と記載があります。これは、投与速度が早いとレッドネック症候群を引き起こすためです。

レッドネック症候群とは、ヒスタミン遊離作用が起き、顔・首・背中など上半身が赤くなる、頻脈、低血圧などを起こす疾患になります。

これらを防ぐために、点滴速度が決まっています。

④その他;投与に数分かける必要がある薬剤

  • フェジン静注→2分以上かけて
  • ロピオン静注→1分以上かけて
  • ワソラン静注→5分以上かけて

などなど。細かく決まっていますねぇ。。。看護師さんも大変ですよね。でもたまに「どのくらいの速度で投与すればいいか」と聞かれたりするので、『投与速度が決まっているものがある』ということを頭に入れておき、聞かれたら調べて答えるようにしましょう。極一部ですがご紹介いたしました。

今回は投与時間に記載がある注射剤をいくつかご紹介しました。この他にも、投与時間が決まっている薬剤はたくさんあります。処方せんを確認し、投与量だけでなく投与時間に間違いがないかチェックしましょう。

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