レボフロキサシン点眼薬、濃度の違い

こんにちは。

今回は点眼薬のレボフロキサシン点眼液についてです。

当院では0.5%と1.5%を採用しています。
ある日、内科Drから『レボフロキサシン点眼 1本』の処方せんが来ました。角膜炎や結膜炎で処方されるニューキノロンの抗生剤になります。当然,濃度の記載がないため問い合わせします。
と、この時

『0.5%と1.5%の違いは?』と思って(今更すぎてお恥ずかしい)調べましたので今回の題材にしました。

大きな違いはないけど【1、5%】がオススメ

レボフロキサシンの錠剤の場合、添付文書上1日1回の投与になっていますよね?これはレボフロキサシンが『濃度依存性』の性質があるからです。

抗生剤の特性

抗生剤にはPK-PD理論(Pharmacokinetics-Pharmacodynamics:薬物動態学-薬力学)の考え方があり,『時間依存性』『濃度依存性』があります。

時間依存性』とは,【薬剤と菌が接触している時間を長くすれば殺菌(静菌)作用が最も効果的に働く】というものです。
そのため,時間依存性の抗生剤は1日3回投与の用法であることが多いです。

一方『濃度依存性』とは【薬剤が高濃度で菌と接触することで殺菌(静菌)作用が最も効果的に働く】というものです。
そのため,濃度依存性の抗生剤は1日1回投与の用法であることが多いです。

レボフロキサシンは,PK-PD理論の研究により,濃度依存性であることがわかってきました。そのため,添付文書が改定され,1日1回投与となっています。これが2009年です(意外と最近)。

しかし,この時すでにレボフロキサシン点眼0.5%は発売されていました。

【1日1回高濃度で投与するために点眼を1回で3〜4滴滴下する】のはなかなか現実的ではないですし,QOLも低い。

それで発売されたのがレボフロキサシン点眼1.5%です。これを使用すれば,1回を高濃度で投与することが可能です。

以上の考え方により,当院では特に理由がない限りは1、5%をオススメするようにしています。

ちなみに薬価なんですが,先発品クラビット(R)点眼液の場合,0、5%=96円/mL,1、5%=95、6円/mLとなっています。(1本5mL)
大差ありませんね。お値段を気にする患者さんにも安心して1、5%を提供できますね。

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